からだに嬉しい効果ばかり!食物繊維でいつでもスッキリ
栄養 2025/04/07 21 views

栄養素の中でも、からだの調子を整えるという観点から注目を集めている「食物繊維」。便秘の改善や整腸作用、血糖値の急上昇をゆるやかにすることによる生活習慣病の予防など、からだにとって嬉しい効果がたくさんあります。食べ過ぎた時の対策や、便秘の改善など、摂取することで期待される効果について紹介します。
●食べすぎや、からだへの溜め込みを防ぐ!

食物繊維が多く含まれている食材は、例えば野菜や豆類、きのこや海藻、全粒穀物など、比較的よく噛む必要のあるものが多いのが特徴。普段の食事でこうした食材を使った料理を選ぶと、自然と噛む回数が多くなり、満腹感を得られやすくなることで食べ過ぎを防ぐことができます。
また、友人との食事や会社の飲み会などでいつもより食べる量が増えてしまった場合、その後の食事で食べる量を減らすなどして胃腸の負担を減らすとともに、食物繊維を多く含む食材を料理に取り入れると、過剰なコレステロール、ナトリウムの排出を促す働きがあるほか、水溶性食物繊維はコレステロールや糖の吸収をゆるやかにする性質があります。ただ、食べ過ぎてしまった時は消化をするためにいつもより胃腸に負担がかかっている状態。この時の食物繊維を摂り過ぎると、余計に胃腸に負担をかけてしまうので、摂り過ぎには注意が必要です。
●便秘に食物繊維が効くワケ

便秘の原因には、食生活の乱れ、水分不足、ストレス、運動不足や体質など、さまざまな理由があります。そんな苦しい便秘を改善するのに役立つ栄養素として真っ先に挙げられるのが食物繊維。ではなぜ便秘に食物繊維が役立つのでしょうか。
いわゆる不溶性食物繊維は食べ物が消化される過程で水分を吸収し、膨張します。それにより便の容積が増え、大腸が刺激されて排便がスムーズになるため、食物繊維は便秘を改善してくれると言われています。また、水溶性の食物繊維は水分を含むために便がやわらかくなり、出しやすくする上、水分を吸収する時に老廃物も吸着してくれるというメリットもあります。
ただ、便秘の改善は生活習慣の見直しやストレスへの対処も大切。食物繊維を摂るだけでは改善しないことも多く、水分不足の可能性もあります。水分不足のまま食物繊維を摂取するとかえって便がかたくなって便秘を悪化させてしまうこともあるので、1日1.5リットル程度の水をこまめに飲むようにしましょう。また、生活全体の見直しも必要です。
●生活習慣病のリスクを遠ざける

「生活習慣病」というのは、食習慣や運動、休養、喫煙、そして飲酒など、ふだんの生活習慣が原因で発症する病気のこと。この中には、がんや心疾患、脳卒中など、「三大疾患」と呼ばれる病気も含まれています。死に至る可能性もあるこれらの病気は、一概に生活習慣だけが原因で起こるとは言えませんが、その大きな要因になることも確かです。
バランスのいい食事と運動、休養を取る生活を送ることを基本に、食生活の中で食物繊維の豊富な食事をとることで、生活習慣病をはじめとする病気発症リスクが低減されるという研究結果も出ています。野菜など、食物繊維が豊富な食材をしっかり食べることで血糖値の急上昇が抑えられ、それが結果的には生活習慣病の予防に役立ちます。
とり過ぎることで生活習慣病の発症につながりやすい、血糖値の上昇を防いだり、余分なコレステロールやナトリウムの排出を助ける働きが期待できる食物繊維は、日々の食事に摂り入れない手はないほど、重要な栄養素。1日あたりの推奨量は、17〜21g。積極的に取り入れるよう、ぜひ意識してみてください。
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監修
北嶋佳奈さん
ボディメイク管理栄養士。レシピ本著書多数。雑誌でのレシピ開発やコラム執筆などで活躍。2024年1月に東京から沖縄へ移住。2025年1月に「一品で大満足!デパ地下みたいなごちそうサンドイッチ」(TJMOOK)発売。
〈Instagram〉https://www.instagram.com/kanakitajima/
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