目指せ!ふっくらつやっと肌

カラダ 2024/01/22 615 views

モチモチとしていてキメの細かい健康的な肌は、誰もが羨むもの。肌の調子がいいと、自己肯定感も高まります。肌が荒れてしまう原因や、お手入れ方法を美容皮膚科「Mスキンクリニック」院長の田中美帆先生に聞きました。

健康な肌の条件とは?

「健康的でキレイな肌の条件はいくつかあります。まずはキメが整っていること。言い換えると、摩擦や紫外線といったダメージが少ない肌ということになります。次に、肌がしっとりとしていることですね。肌は『表皮』と『真皮』という2つの層に分かれているのですが、『表皮』の表面にある『角質層』という部分の水分量と油分のバランスが大切。角質層は肌の水分を閉じ込めるラップのような役割があり、レンガのようにきちんと揃った状態が理想です。そして最後の条件として、弾力があり血行がいいこと。肌の基礎となる『真皮』に肌のハリを保つためのコラーゲンが多く含まれるほど肌の弾力も良くなりますし、血のめぐりがいいと、くすみのない明るい肌に見えます」と田中先生。

肌の健康を保つキーワード「ターンオーバー」

健康的な肌を目指すためには、「ターンオーバー」という、健康的な肌を持続するための肌の代謝の仕組みがうまくいっているかどうかが重要です。ターンオーバーとは、表皮の根底にある「基底層」で肌の細胞が作られて皮膚の表面にある「角質層」まで押し上げられ、剥がれ落ちることで古い細胞が排出される過程のこと。10代〜20代の若い人だと28日~30日周期で起こるといわれています。

「皮膚の代表的な役割として、常在菌が存在して細菌の繁殖を防ぐ、身体の内と外を分けて紫外線や乾燥などの刺激から体内の器官を守るなどがあります。また、皮膚も年齢が上がると段々衰えてきて、ターンオーバーの周期が長くなります。ターンオーバーが長くなると、くすみの原因となるほか、シミが外に排出できずに定着してしまったり、肌がゴワゴワしてきます。反対に、人によっては早すぎる方もいて、未熟な細胞が角質層に出てしまうので、肌を守るバリア機能が弱まったり、保湿の機能がうまくいかないため、敏感肌や乾燥肌となってしまいます。年齢だけでなく、生活習慣の乱れや紫外線などの外部からの刺激によっても肌は荒れてしまうので注意が必要です」

肌が荒れる原因と対策

肌が荒れてしまう代表的な原因とその対策について紹介します。当てはまるものがないか、また改善方法をチェックしてみましょう。

①タバコをやめ、飲酒を控える
タバコや過度な飲酒を続けることは、肌の健康にとってNG。タバコは、肌にとって大切な「ビタミンC」を破壊し、コラーゲン量を減少させます。さらに、血管が収縮することによる肌のくすみなど、様々な悪影響をもたらします。いくらビタミンCたっぷりの果物やサプリメントを摂っても、タバコを吸っているとあまり意味がありません。また、大量のアルコールを摂取して肝臓に負担をかけてしまうと、肝臓に貯蓄されている「ビタミンA」が減ることでターンオーバーの低下や肌のハリやつやがなくなってしまいます。またアルコールによる血管拡張で赤ら顔を引き起こしてしまうので、飲酒もほどほどにしましょう。

②食事は栄養バランスを意識する
肌の状態を良くしようとするからといって、ビタミンCなどの肌にとって重要な栄養素をただ摂ればいいというわけではありません。「ジャンクフードばかりを食べているけど、ビタミンのサプリメントを摂って美容に気を使っています、という人は意外と多いです。ですが、ジャンクフードなどの栄養バランスが偏った食事を続けると、腸内環境が乱れてしまい、サプリメントで不足している栄養素をせっかく補っても残念ながら吸収できていません」と田中先生。大事なのは、栄養バランス。たんぱく質、炭水化物、脂質などの基本的な栄養素のバランスを意識した食事を心掛けましょう。また、食事の質を意識することも大切。油ひとつをとっても、スナック菓子の油と料理に使われるオリーブオイルの質は違います。栄養バランスと、質の良い食事を心掛けましょう。

③紫外線対策をきっちり行う
紫外線を浴び続けるとシミに繋がったり、乾燥して水分不足を起こして肌のターンオーバーが乱れてしまいます。日焼け止めを選ぶコツは、紫外線の強い沖縄では「SPF50」など数字の高いものがおすすめ。種類は、落としにくいウォータープルーフではなく、石鹸で落ちるものを選びましょう。また、たっぷりと塗ることが大切なので、パウダータイプよりも乳液やジェルなど、液状のものを選びましょう。「女性の顔だと0.5g~0.7gは使ったほうがいいです。量の目安でいうと、500円玉くらいの大きさです。市販のものが30g入っているとすると、顔だけで2か月で使い切る計算になります。恐らく1回では塗りきれないと思うので、1回薄く塗り、もう1回重ね塗りをしましょう。日焼け止めの成分が含まれた化粧下地もありますが、500円玉サイズの量を塗ることは難しいので、下地とは別に日焼け止めを使うことをおすすめします。さらに補助として、フェイスガードや日傘などで紫外線を遮断するのもいいですよ」。

では、日焼けしてしまったときはどんな対策を行ったらいのでしょうか。日焼けは日光による火傷なので、「とにかく冷やす」ようにしましょう。軽い日焼けなら、保冷剤を使ったり、冷蔵庫で冷やしておいたパックを顔にピタッと貼るだけでもOK。染みたりしないなら、ビタミンC配合の美容液やパックを使って、炎症を鎮めるのもいいそうです。

④普段のお手入れ方法やメイクを見直す
肌への摩擦はキメが乱れたり、シミの原因にもなってしまいます。クレンジングの際、拭き取りタイプの化粧水で強く肌をこすったり、洗顔ブラシやスクラブでゴシゴシ顔を洗うのもNG。また、オイルクレンジングでメイクが落ちないからと、洗浄力の強い固形石鹸を使って顔を洗うのもおすすめしません。「クッションファンデなどカバー力の強いコスメを使うと、化粧落としの時に肌に負担がかかってしまいます。普段は石鹸で落としやすいミネラルコスメを使い、結婚式やパーティーなど特別なときはしっかりとしたメイクをするというように、上手に使い分けるといいですね」と田中先生。

次に、もうひとつ大切なのが洗顔と保湿です。まず、洗顔は朝と夜の1日2回、泡立てた洗顔料で優しくクルクルと肌を撫でるように洗えばOK。保湿に関しては、化粧水を塗ってクリームというように順を追って使いましょう。化粧水は使用後5分ほどで水分が抜けてしまうので、水分を閉じ込めるためにも、クリームは時間をおかずにしっかりと塗るようにしてください。化粧水や乳液、美容液をひとつにしたオールインワンジェルや大容量のパックのみを毎日使用して保湿を終える方もいますが、それではしっかりとした保湿ができないのでおすすめしません。また、パックは肌にいいイメージがありますが、田中先生によると、肌の調子が悪いときは控えたほうがいいのだそう。15分以上パックを乗せていると、肌がふやけてバリア機能が失われてしまうほか、パックの中に入った防腐剤などにより余計に肌が荒れてしまうこともあるのだといいます。

他にも、日常のお手入れとして、シェーバーを使う方は刃を定期的に新しいものに取り換えるようにしましょう。汚れたまま使い続けてしまうことで、傷口から菌が入り、にきびの原因にもなります。

基本的な生活習慣の改善と、普段のお手入れをしっかり行うことで健康的で若々しい肌を目指すことはできます。肌が健康になれば、メイクのノリが良くなったり、顔色も明るく見え、気分も上がるはず。ぜひ取り入れてみてくださいね。

美容皮膚科「Mスキンクリニック」院長
田中美帆先生 
2019年に美容皮膚科「Mスキンクリニック」をおもろまちに開院。シミ、シワ、たるみのレーザー治療や注射治療、重症ニキビ治療、医療脱毛といった幅広い治療が評判。丁寧な診察とカウンセリングで日々患者の肌のトラブルと向き合う。
https://www.mskinclinic.com/about

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