肌の調子を腸から整える

栄養 2025/04/09 44 views

健康を維持する上で何かと話題に上がる「腸」。食べ物を食べた時、栄養素を消化吸収する役割を果たす臓器ですが、腸は脳や肌、気分にも影響するとされ、腸の調子を整えることがからだのさまざまな部分に関わることから「腸活」もブームです。そんな腸の働きと肌の関係に焦点を当て、腸の調子を整える視点から健やか肌を目指すヒントを紹介します。

腸が不調→有害物質が溜まる→吹き出物

腸の状態が肌にも影響する、というのはどのようなメカニズムによるものなのでしょう?腸の中には善玉菌、悪玉菌、日和見菌など、多種多様な細菌が密集している「腸内フローラ」があります。それぞれの菌がバランスのとれた状態であれば、栄養がきちんと吸収され、血液やリンパ管から全身に送られて、からだを動かすエネルギーになったり、筋肉を作ったり、細胞を修復するなど、本来の役目を果たすことができます。

ところが、腸内環境が悪い場合は、栄養がきちんと吸収されないだけでなく、逆に有害物質であるアンモニアなどが血液にのって全身をめぐり、腸内環境が乱れることで発生した有害物質が過剰に吸収され、解毒が追いつかず体内をめぐることで肌荒れなどの影響が出る可能性があります。

腸内環境の悪化につながるのは、不規則な生活や、喫煙や飲酒の習慣、食生活の乱れのほか、ストレスやホルモンバランスによるものなど、さまざまな要因があります。肌荒れは、目には見えない腸内環境を知るための一つの目安。肌に現れた不調をもとに、生活の見直しをするのも良いでしょう。

食事で善玉菌を摂取し、適度な運動をする!

善玉菌は普段の食事でお馴染みのメニューにもたくさん含まれています。特におすすめなのは発酵食品。ヨーグルトや納豆、チーズやキムチなど、調理の手間がいらない、そのまま食べられる手軽な食品が多いので、すぐに実践することができます。

「市販のものは菌が死んでいる」「生きていても胃酸で死ぬ」と言われることもありますが、死んだ菌も腸内の善玉菌のエサになるなど、良い働きをすることが分かっています。菌の量も大切ですが、種類の豊富さも重要なので、さまざまな発酵食品を摂るのも良いでしょう。一部の水溶性食物繊維やオリゴ糖も善玉菌のエサになるので積極的に摂ることをおすすめします。

また、運動をすることで腸内フローラが活性化するので、日々ちょっとした運動を心がけることも大切。なかなか忙しくて運動の時間が取れない場合も、デスクワークの間にちょっとしたストレッチをしたり、約3分で終わるラジオ体操を全力でするなど、生活の中に数分の運動を取り入れる工夫を。小さな積み重ねの習慣が、腸内環境の改善につながり、それは健やか肌にもつながります。

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監修
北嶋佳奈さん
ボディメイク管理栄養士。レシピ本著書多数。雑誌でのレシピ開発やコラム執筆などで活躍。2024年1月に東京から沖縄へ移住。2025年1月に「一品で大満足!デパ地下みたいなごちそうサンドイッチ」(TJMOOK)発売。
〈Instagram〉https://www.instagram.com/kanakitajima/
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