南風原町にある沖縄県立南部医療センター・こども医療センター(以下 医療センター)のすぐ近く、サーモンピンクとパステルブルーの建物に気づいたこと、ありませんか?そこは「ファミリーハウス がじゅまるの家」(以下 ハウス)という滞在施設です。誰が、どんな目的で利用するのでしょう?
負担を減らし、安心して医療を受けられるために
このハウスは、離島や本島北部などの遠方から医療センター、琉大附属病院等で治療・入院する病気や障害のある子どもとその家族が、心身ともに安らぐことができる我が家同様の滞在施設なのです。
病院から遠い地域に住む方にとって、通院や入院は、経済的・精神的にも大きな負担です。
そうした負担を少しでも軽くしたい、安心して医療を受けられる環境をつくりたいと、病児や障害児を抱える親の会団体(わらびの会)の活動により、開設されました。
悩みを分かち合える空間に
ハウスには、個室10室のほか、サロンと呼ばれる食事を取るダイニングルームや談話室、子どものためのプレイルームがあります。食事は各自で料理ができるよう、キッチンには台所用品が備わっています。設備が整っていて、安価で滞在や宿泊できることは利用者にとってもちろん嬉しいことですが、それ以上に、利用者に寄り添うスタッフの対応は、利用者の心の支えとなっていると言われています。病気の子どもを抱え、自分を責めてしまうお母さんたち。でも、このハウスの利用をきっかけに、同じ立場の人と話すことで悩みを分かち合い、共感でき、前向きな考え方ができるようになることは、とても心強いことでしょう。
「ハウスに初めて来られたときはとても不安な顔をしていた親御さんが、自宅へ帰るときに笑顔がみられるのがとても嬉しいです」と、ファミリーハウス がじゅまるの家を運営するNPO法人わらびの会の事務局長、儀間小夜子さんは話してくれました。
こうした施設があることをもっと多くの人に知ってもらい、支援の輪を大きく広げていきたいですね。