肩こりや腰痛を予防!カンタンストレッチ

肩こりや腰痛は現代病ともいえるほど、多くの人が悩まされている症状の一つ。背中を丸めてスマホを長時間見ていたり、ずっと同じ姿勢でパソコン作業をするなど、肩こりや腰痛を引き起こす理由の一つには、姿勢が大きく関連しています。そこで、「ストレッチ専門スタジオ SSS沖縄スタジオ」チーフトレーナーの𡈽屋景麻(つちや けいま)さんに、「肩こり」や「腰痛」を引き起こす原因と、その症状を解決するために、寝ながらでもできるストレッチを教えてもらいました。

現代人の肩こりや腰痛の原因とは?

現代人が肩こりや腰痛を訴える時、姿勢や呼吸に問題があることが多く、その原因となる3つの要素について話してくれました。

「まず1つ目は、『正しい座り方を知らない』こと。小学生の頃、学校で『良い姿勢で座りましょう』と習ったと思いますが、多くの方が『正しい姿勢』について具体的に説明できないです。2つ目は、『筋力の低下』です。重力に対抗して姿勢を保つために、背中、腹筋、お尻、太もも、ふくらはぎに張り巡らされている『抗重力筋』が低下することで姿勢を維持できず、猫背になっている方が多いですね。3つ目は意外かもしれませんが『呼吸機能の低下』が挙げられます」

どうしたらいいの?肩こりや腰痛を予防するために意識したいこと

𡈽屋さんのお話によると、肩こりや腰痛にならないようにするためのポイントはズバリ「姿勢」! 「まず知って欲しいのが正しい姿勢です」と𡈽屋さん。耳と肩、脚の付け根が一直線の状態になるように座っているときが正しい姿勢だと言います。座る時は椅子に深く腰掛け、重心を前に持っていくと骨盤が安定して姿勢を維持しやすくなるとのこと。正しい姿勢では、背骨がS字を描いた形になるので胸は後ろに湾曲、首と腰は前に湾曲しています。こうすると、背骨の上に頭が乗った状態になり、筋肉に余計な負担がかからないのです。

「人の頭はボウリングの玉の10ポンド(約4.5kg)と同じくらいだと言われています。例えば、そんな重い玉をずっと持ち上げていると腕が疲れますよね。頭と首の関係で考えても同じで、重い頭を支えるのはただでさえ大変なことなのに、姿勢が悪い方は背骨の上にうまく頭が乗っていない状態になるので、首や肩の筋肉にも負荷が常にかかってしまい、筋肉が疲れてコリを感じるんです」と𡈽屋さん。

また、姿勢を正す上で呼吸も重要とのこと。普段は意識しない呼吸についても、肩や腰が痛いと感じた時は、わざと大袈裟に呼吸を何度か繰り返してみるといいと言います。「人間は体の構造的に、息を吸いながら身体を丸めることはできません」と𡈽屋さんがいうように、息を吸うと横隔膜が引き下がり、胸郭が上がります。そうすると、自然と頭の位置が後ろにいくので姿勢が安定するのだといいます。しっかり呼吸をすることは、姿勢の良さに繋がるのです。

解説!寝ながらでもできるストレッチ

教えてもらったのは、横隔膜をほぐし、呼吸を改善するストレッチ。肩こりや腰痛の予防となる「正しい姿勢」を維持するために、まずは呼吸から改善するといいます。肩こりや腰痛を改善するためにはマッサージをするといいと考えがちですが、マッサージは一時的に効くだけで根本的な解決にはならないとのこと。まずは今回紹介するストレッチから始めてみましょう!とても簡単なので、ぜひ実践してみてください。

STEP1 息を吐きながらみぞおちに指をぐーっと入れていくように押す。

STEP2 手をはなして息を吸う

目安はだいたい5秒かけて息を吸い、5秒かけて口から息を吐くといいです。吸う時間も吐く時間も均等になるように意識しましょう。慣れないうちは5秒かけて吸うことは意外と難しいですが、力いっぱいやる必要はありません。リラックスして、ゆっくり長く吸うのが大切です。また、行うタイミングはいつでもOKですが、酸素摂取量が増えて、筋肉もリラックスするので、夜寝る前に行うと睡眠の質が良くなります。また、筋肉をほぐして体を動かしやすくなるので、寝起きに行うのもオススメです。

注意したいのが、教えてもらったストレッチはあくまでも肩こりや腰痛改善の入り口だということ。改善のためには呼吸の力を鍛えるだけでなく、姿勢を維持するインナーユニットを鍛えることが大切なので、呼吸のストレッチ+簡単な運動を取り入れるとより効果的です。例えば、今回紹介したストレッチの後にインナーユニットを鍛えるドローイン(お腹を凹ませる動き)を合わせて行うのもオススメ。特に秒数に決まりはありませんが、5秒吸って5秒吐き切る目安で、吸う時間と吐く時間のバランスは一緒にするといいです。また、ちょっとした有酸素運動を取り入れるのも効果的です。まずは1日5分だけでも歩いてみたり、近所のコンビニへ行く時には車ではなく歩くように意識してみましょう。今回教えてもらったストレッチは歩きながらでもできるものなので、ストレッチを行いながら歩くのも効果的です。

𡈽屋景麻さん
ストレッチ専門店SSS沖縄のチーフトレーナー。姿勢改善にフォーカスした科学的な「Kanekoストレッチ」を考案した兼子ただし氏の教えをもとに、日々肩こりや腰痛、猫背などの悩みを解決している。

ストレッチ専門店SSS沖縄
住所/沖縄県中頭郡読谷村大湾314
TEL/098-989-7997
https://sssokinawa.hp.peraichi.com/

体幹のインナーマッスルを鍛えて運動の効率を上げよう!

筋トレをするときに重要な「インナーマッスル」。実際、どこの部分にあるのか分からない、ということはありませんか。その場所やその役割を知ることができれば、意識して鍛えることができるので、より筋トレの効果を得られます!正しい知識について、SKY WELLNESS SPORTSのトレーナーの與那栄一郎さんにお話を伺いました。

インナーマッスルとは?

「お客様から『インナーマッスルを鍛えたい』とよく相談を受けますが、僕たちトレーナーからすると、どの筋肉を指しているのだろう?と少し考えてしまうんですね。というのも、インナーマッスルとは特定の筋肉の場所ではなく、『身体の深いところにある筋肉』の総称をいうんです。インナーマッスルは体幹あたりの筋肉だと思う方が多いかもしれませんが、体幹だけでなく、腕や脚、お尻などにある深い筋肉は全てインナーマッスルといえるんです」

筋肉は身体の表面にある『アウターマッスル』と、骨の近くにある『インナーマッスル』に分かれています。アウターマッスルとは身体を動かすための筋肉で、大胸筋や大臀筋(だいでんきん)などの大きな筋肉を指します。反対に、インナーマッスルは関節の安定や姿勢を保つ役割を担う筋肉で、アウターマッスルが動くときに裏で支えている筋肉を指します。インナーマッスルがうまく機能しないと、トレーニングをしても鍛えたい部分が刺激されなかったり、ケガに繋がる恐れもあるとのこと。それくらい重要な筋肉なのです。

体幹の深層筋「インナーユニット」はどんな役割を持つ?

多くの人が「ここがインナーマッスル」と思っている体幹部分の深層筋は、「インナーユニット」と呼びます。インナーユニットは4つの箇所の深層筋から構成されており、1つ目は肋骨周りの筋肉に作用して呼吸に関わる「横隔膜」、2つ目はコルセットのような役割を果たして体幹を安定させる「腹横筋」、3つ目は背骨についていて脊柱の安定に作用する「多裂筋」、そして最後は、骨盤の最下部に位置し、膀胱や子宮、直腸などの臓器を支える筋肉の総称「骨盤底筋群」です。これらを鍛えることで得られるメリットはたくさんあります。ぽっこりお腹の改善に繋がるのはもちろんですが、腰痛の予防になるほか、骨盤が安定して動作がスムーズになるので運動時のケガを防いだり、スポーツパフォーマンスの向上にも繋がります。

体幹の深層筋「インナーユニット」を鍛える簡単トレーニング!

インナーユニットを鍛える方法として教えてもらったのは、初心者でも取り組みやすい「ブレーシング」。呼吸をしながらお腹を膨らませたり凹ませたりする「ドローイン」と似ていますが、その違いは、お腹に空気を溜めたまま息を吸ったり吐いたりする点。

「しっかり呼吸ができるトレーニングなので、マスク生活で呼吸が浅くなりがちな皆さんにぜひ取り入れてほしいですね」と與那さん。簡単なのに腹筋運動と同じ効果を得られるそうなので、筋トレが苦手な方もぜひチャレンジしてみてください!

ブレーシング

STEP1 息を吸いながらお腹を膨らませます。このとき、胸が膨らまないように注意。腹部全体を膨らませるイメージで息を吸うとお腹を膨らますことができます。

STEP2 吸えるだけ吸ったら、お腹を膨らませたまま息を吐きます。息を吐く目安は8割ほど。「もう吐ききれない」と思う手前まで吐くイメージです。お腹に手を当てながら行うと、お腹に力が入っているのを実感できるのでおすすめです。

STEP3 STEP1〜2を15回×3セット繰り返します。

「このトレーニングを行うと、インナーマッスルの中でも普段の生活ではあまり使われない横隔膜が働くことによって、腹部全体を刺激してくれます」と與那さん。鍛えることで、骨盤を正しい位置で安定させてスポーツパフォーマンスを向上させてくれるというメリットのほか、横隔膜が動くと正しい姿勢を維持する役割を担う「多裂筋」も鍛えられるというメリットもあるので、腰痛の改善にもなるのだといいます。横隔膜を使うことで腹圧が高まり、運動時に必要な力を効率よく使うことができるようになるので、トレーニング後にウォーキングを行うのもおすすめ。ぽっこりお腹の改善により効果的だそうなので、余裕がある方はぜひやってみてください。

與那 栄一郎さん
那覇市具志のスポーツクラブ「SKY WELLNESS SPORTS」の運動指導部所属。8年に渡り、ボディメイクや肩・腰・膝痛予防など、お客様ひとりひとりの要望に合わせた運動メニューの提案や指導を行う。

スカイウェルネススポーツ
住所/那覇市字具志890-1
TEL/098-857-0008
http://www.sky-sports.jp/

公式マスコット「わお」って?