ファミリーハウス「がじゅまるの家」利用者の声

沖縄県保健医療福祉事業団が管理する「がじゅまるの家」は、病気の治療や入院のために、県立南部医療センター・こども医療センター等へ通う子どもとその家族が滞在できる施設です。今回は、実際に利用された方からいただいたおたよりを2つご紹介します。

「困難を乗り越え…」(H・Nさん)

2013年2月、長男(12歳)が頭が痛いと訴え、病院へ。次第に歩けなくなり、石垣島の病院では治療が難しく飛行機にて南部医療センターへ緊急搬送されました。

医師からの話では「1日〜2日が山場です」、「5年生存率は40%」など、テレビ等でよく聞く言葉を言われ、「何をいってるの?」という状況で、妻と二人涙が止まらない状況を今でも鮮明に覚えています。病院から治療は長期になりますとの説明と同時に「がじゅまるの家」を紹介されました。

施設を訪れると、スタッフの方々の「近すぎず遠すぎない」心づかいが私にとっては非常にありがたく感じました。病院のすぐそばにあり、私たち離島の住民にとっては精神的にも経済的にも非常にありがたく感じております。

それから半年に1回、定期検診の際にも、利用をさせていただき、そのたびに優しい言葉をかけていただき感謝しております。この施設がいつまでも運営し続けられるよう、微力ながらお手伝いができればと思います。スタッフの皆さまもお体にお気をつけてくださいますよう心よりお礼申し上げます。

家族の絆が強くなりました(Nさん)

 長い間お世話になり大変ありがとうございました。弟の結婚式のため3日間沖縄に来たつもりが次女の手術、入院。不安でいっぱいでしたが、優しく迎えて頂き大変ありがたかったです。妻が下の娘につきっきりのため、上の娘にさみしい思いをさせたくありませんでしたが、おもちゃや本が充実していたり、友達ができたりでみんな一緒にいるだけで幸せなんだと考えさせられる日々でした。家族の絆がより強くなったと思います。皆様大変ありがとうございました。

がじゅまるの家についてのもっと知りたい!という人は、下のリンクもご覧ください。

ファミリーハウス「がじゅまるの家」って知っていますか?

ファミリーハウス「がじゅまるの家」ってどんなところ?

ご支援のお願い(がじゅまるの家HP)

管理栄養士、上原成未さんに教えてもらう「栄養摂取で心がけること」とは

しっかり食べているつもりでも、特定の栄養素が足りない状態になる「隠れ栄養失調」は誰にとっても心当たりがあるのでは?「朝ごはんを抜きがちだけど大丈夫かな」「三食、食べてはいるけど栄養が足りているか分からない」など、自分の栄養摂取の状況がどうなのか、疑問を持つ人も多いかもしれません。そこで、kenko ISLAND57号で隠れ栄養失調について監修をしていただいた上原成未さんに、栄養摂取を心がけるときに大切なことを教えていただきました。

上原成未(うえはら なるみ)さん

管理栄養士であり、薬膳スパイスアドバイザー(R)認定トレーナー。糸満市出身。県外の病院に勤務し、患者さんへの栄養指導を行う。沖縄に戻ってきてからはフリーとして活動。食事の個人カウンセリングを行うほか、薬膳や糖尿病などをテーマにしたワークショップの開催や講演会の講師活動を行う。

大人が1日に必要な栄養素の目安とは?

「この図は厚生労働省と農林水産省が一緒に作成した『食事バランスガイド』です。1日に何をどのくらい食べればいいかという指針になるものですが、肉や魚、卵などの主菜は3~5皿、牛乳だったらコップ1杯程度などと、イラストと説明書きがあるのでわかりやすいと思います。また、バランスコマの中心には「水・お茶」があり、コマを上手に回してバランスを整えるためには、「運動」が必要なことも、走っている人の絵で表現されています。生命維持に必要な、水・食事・運動がちゃんと描かれているんですね」。

上原さんがこう話すように、コマのようなかたちをした「食事バランスガイド」は、どんなものをどのくらいの量食べると、一日に必要な栄養素を摂取できるかを表しています。誰もがよく食べるメニューが例に挙げられているので、ふだんの生活に当てはめやすく、自分の栄養摂取状況も判断しやすそうです。

また、このほかにも栄養士さんがよく使う方法に「手ばかり栄養法」があると上原さんは教えてくれました。

「栄養相談で使うことが多いのですが、自分の手のひらいくつぶん、というので必要量を判断します。『ごはんやパンは1回の食事で両手のひらにのるくらいの量を』などのように指導するんですね。食事バランスガイドのような表で確認するのが面倒な人にとっては、自分の手のひらで測る方法が喜ばれましたね。インターネットで検索してみたらたくさん見つかったので、一般の方でも知っている人は結構いらっしゃるかもしれません」。

栄養素はダイレクトに身体に影響する

栄養素は目に見えないので、例えば野菜をたくさん食べたからといって、実際に身体に変化が起きたというような経験はなかなかありません。ですが、医療現場で働いてきた上原さんは「栄養素が確実に身体を変える」という場面をたくさん見てきたといいます。

「ケガや病気で入院される方たちには、食事だけでなく、病態によっては経口からの食事、経鼻や胃ろうからの経管栄養、点滴からの静脈栄養などで、必要な栄養素を体内に入れるんですね。そうすると治るスピードが全然違うんです。例えば、高齢者の床ずれ(専門的な言葉では褥瘡(じょくそう)といいます)の治療の時などには、アミノ酸、鉄分、亜鉛、ビタミンCなどを入れますが、治る経過を見る度に良くなっていくので本当に驚きました。ドクターと一緒に回診に行って患者さんの創傷の様子を確認すると、摂取した栄養素がきちんと治癒に役立っているか、足りなかったのはどんな栄養素かということが本当によくわかったんです」。

日常生活では栄養がダイレクトに身体に影響していることを実感する機会は少ないですが、医療現場では言うまでもなく、それは当たり前のこと。傷だけでなく、体調不良なども栄養素の摂取の仕方で解消できることが多いのだそう。

「栄養素は、確実に身体を変える力があるんです」。

上原さんは力強くそう話してくれました。

どんなに栄養摂取を心がけても、睡眠不足ではすべてが無駄に

上原さんから隠れ栄養失調にならないための心がけについて話を聞く中で驚いたのが、「隠れ栄養失調の大きな要因は睡眠不足だと思います」という言葉。睡眠不足だと、栄養素の吸収率がとても悪くなるのだといいます。

「栄養相談でもよくある事例として、食事はある程度きちんとしているけど、慢性的な睡眠不足が原因で、足りていない栄養素がとても多く体調不良を招いているというケース。そういう方には『まずしっかり眠ってください』とアドバイスします。栄養相談のはずが、睡眠に関するアドバイスをしていることもよくあるんです」と上原さん。

睡眠時間がとても短かったり徹夜をすると、お腹の調子が悪くなって下痢になることも。胃腸の調子が悪くなることで栄養素が吸収されにくくなり、せっかく摂取した栄養素が無駄になってしまいます。さらに老廃物を体外に出すこともうまくいかなくなるので、栄養は摂取できないのに不要なものを溜め込んで、太りやすくなるという悪循環まで生まれてしまうそう。一見まったく関係なさそうですが、栄養摂取と睡眠には意外なつながりがあるので、隠れ栄養失調対策には生活リズムを整えることも大切なのです。

栄養摂取のコツはkenko ISLAND58号でも紹介しているので、チェックしてみてくださいね。

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