実践!コンビニでPPFCB(パーフェクトPFCバランス)

最近は加工品やお弁当などに栄養成分表示がしっかりとされているので、PFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)バランスを意識した食生活がしやすくなっています。kenko ISLAND61号ではコンビニ商品で1日の理想的なPFCバランスのメニューを紹介しましたが、ウェブ記事では具体的な方法を紹介します。コンビニ商品のラベルに書かれた栄養素をチェックして、今日から早速、PFCバランスの取れた食生活に挑戦してみましょう。監修はkenko ISLANDの誌面でも協力いただいた、管理栄養士の田島隆次さんです。

まずは自分に必要な「P・F・C」の量を知る

PFCバランスを意識した食生活を始めるのにまず必要なのは、自分に必要な1日のPFCの量を知ること。年齢、性別、身体活動レベルを入れるだけで必要量がわかるウェブサイトを利用してみましょう。ここでは、「身体に必要な基本の栄養素「P・F・C」を知る」記事でも紹介した「ke!+san」サイトを利用してみます。

30~49歳男性、身体活動レベルがふつうの方の場合、必要なPFCの量は以下となりました。

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たんぱく質(P) 65g/1日
脂質(F) 60〜90g/1日
炭水化物(C) 337.5〜438.75g/1日
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※「日本人の食事摂取基準」では性別・年齢階級・身体活動レベル別に、推定エネルギー必要量が”参考表”として示されています

PFCそれぞれの量は1日当たりの総量なので、1食あたりの量を知るために3で割ると以下になります。(小数点2位以下は四捨五入)

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たんぱく質(P) 21.67g/1食
脂質(F) 20〜30g/1食
炭水化物(C) 112.5〜146.23g/1食
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コンビニで商品を選ぶときは、この数字が基準となります。

実際にコンビニで商品をチョイス!

では、コンビニで実際に商品を選んでみましょう。例えば朝ごはんにスモークサーモンとクリームチーズのバゲットサンドを選んだ場合。チェックするのはラベルの以下の箇所です。

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たんぱく質 12.6g
脂質 13.8g
炭水化物 32.9g
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この時に注意したいのは、栄養素の量が「100gあたり」なのか「1包装あたり」なのかという点。この商品は「1包装あたり」と書かれているので、このバゲットサンドを一つ食べると表示の栄養素がすべて摂取できるということになります。「100gあたり」と書かれている場合は、総量を確認して、食べた分の栄養素を計算しましょう。

ちなみに、この商品を朝食にした場合、1食あたりに必要な栄養素は、たんぱく質はあと9g、脂質は6〜16g、炭水化物は80〜113gほど足りていません。この場合はヨーグルトなどを追加してもいいですし、昼食や夕食で不足分を調整してもOKです。1食ごとにパーフェクトにしなくても問題ありません。

ポイントは、不足しがちなたんぱく質と、オーバーしがちな糖質と脂質の量

管理栄養士の田島さんによると、コンビニのお弁当1つで済ませようとすると、糖質や脂質が過多になりやすいとのこと。脂質を抑えるには、揚げ物はなるべく控える。パンや麵の場合、種類やメニューによっては脂質が高くなりやすいため注意。また、コンビニでは丼ものやパスタなど単品で済ませるのではなく、主食・主菜・副菜を揃えるような定食スタイルを意識するとバランスがとりやすいです。

不足しがちなたんぱく質は、以下の食品に多く含まれています。これらが使われているメニューを意識的に選んだり、副菜やデザートなどに追加するなどで工夫するといいでしょう。

<たんぱく質が豊富な食品例>
・鮭、サーモン(20~24.5g/可食部100gあたり)
・鶏肉(胸肉、もも肉、ささみ)(25.1〜38.8g/可食部100gあたり)
・納豆(16.5g/可食部100gあたり)
・卵(12.2〜14.8g/可食部100gあたり)
・豆腐(4.3〜9.1g/可食部100gあたり)
・ヨーグルト(2.9〜4.3g/可食部100gあたり)
※たんぱく質量は食品成分データベース(https://fooddb.mext.go.jp/)より

監修していただいた田島さんより、コンビニ商品を上手に使いながらPFCバランスを整える方法についてコメントをいただきました。

「買ってすぐに食べられるコンビニ商品はとても便利です。今回、コンビニ商品を見て僕自身も驚きましたが、お弁当などだけでなく、カット野菜やフルーツ、シーフードミックスの冷凍食品など、自炊用の食材もかなり充実しています。なかなか調理しにくい魚料理が、レンジで温めるだけで出来たり、スーパーで買うと余らせてしまいがちな野菜が、サラダとしてちょうど1食分で用意できたり、お気に入りのメニューに“ちょい足し”して栄養素を補うなど、ちょっとした自炊を楽しむのもいいと思います。朝昼夜でPFCの足りない部分をどう補うかを楽しみながら、日々の食事を考えてみてもらえたらと思います。」

具体的な実践方法のまとめ

以上、PFCバランスを意識した食生活を送る具体的な方法をご紹介しました。改めてここに大まかな流れを紹介します。

①自分に必要な1食あたりの「P・F・C」の量を計算する
*手動の計算または自動計算サイトを利用

②①で計算したPFCの量をもとに、コンビニで商品を選ぶ
*メモを取ると、その後の食事でPFCをどれだけ摂取すれば良いか分かるのでオススメ。
必要な栄養素がどんな食品に含まれているかのチェックは食品成分データベース(https://fooddb.mext.go.jp/)で。

③1日の終わりに結果をチェック
*不足気味、オーバーしがちな栄養素を確認し、翌日の食事に役立てましょう。

片頭痛と上手く付き合っていくには?

天気が曇りや雨の時、疲れている時に起こりやすい片頭痛。慢性的に鈍い痛みが続いて家事や仕事に集中できなくて困る…という人も多いのでは?

片頭痛になる原因や、日々の生活の中でできる対処法、受診のタイミングなど、さむら脳神経クリニックの佐村先生にお話を伺いました。

佐村博史先生

さむら脳神経クリニック院長。頭痛、めまい、物忘れなどの一般的な症状から、脳卒中後遺症や頭部外傷後遺症、脳動脈瘤や脳動静脈奇形、脳腫瘍等の脳神経外科的疾患を中心に診療を行う。患者さんが症状に関してしっかり理解できるように、図表や画像を用いた詳しい説明を行っており、一人ひとりに寄り添った診療スタイルを行う。沖縄県石垣市出身。

―そもそも片頭痛ってなんですか?

片頭痛は血管が開いてズッキンズッキンと脈打つような痛みなのが特徴です。多くの片頭痛が頭の片側だけ痛むことからその名前がついたと言われています。

また、通常の頭痛と片頭痛の違いは、片頭痛は体質で起こるものということ。遺伝的な要素も大きいので、完治させようと思うのではなく、うまく付き合っていくことが大事です。例えば、自分が片頭痛はどういう時に起きるのかを知っておけば、それを避けて生活をすればいいですよね。相手の性格が分かれば上手く付き合っていけるんです。

―片頭痛になりやすい人はどんな人ですか?

片頭痛になるきっかっけで多いのは、寝不足、寝すぎ、疲れ、ストレスなどです。それと、強い光なども原因になることがあるので、夏場に外出する際は、帽子やサングラスを使用することを勧めています。また、食事を抜いて低血糖になることも原因になりますし、逆に人工甘味料や亜鉛酸化物、柑橘類、化学調味料を摂取し過ぎるのもよくありません。食べるものが自分の身体となります。普段から何を食べているのかを見直すことで、原因を知ることもできますよ。

●下記のチェックリストは日常生活の中で片頭痛の原因になるものです。いくつ当てはまるか確認してみてください。

・休日に寝溜めをする
・チョコレートをよく食べる
・赤ワインをよく飲む
・一日に濃いコーヒーを3杯以上飲む
・どちらかというと神経質な性格
・物事を成し遂げるためには努力を惜しまない
・夏場でもサングラスや帽子を使用しない

―片頭痛になってしまった時はどのように過ごした方がいいでしょうか?

まず行ってほしいのが横になって寝ること。片頭痛の発作の際は光や音に過敏になる場合が多いので、静かな部屋で照明を消して休むといいでしょう。また、片頭痛が起こる前の予兆として、閃輝暗点という目の前に光が広がる現象がありますが、その時も、なるべく目を閉じて休んだ方がいいです。

すぐに休むことが難しい場合は、コーヒーを飲むのもいいかもしれません。コーヒーは血管を収縮させる作用があるためです。片頭痛で開いた血管に効果があると言えますが、飲みすぎると逆効果なので、2杯程度にしてください。

それと、普段の食事を気にかけることも大切です。片頭痛を予防するマグネシムやビタミンB2などの栄養素が入った食材を多めに摂ることも効果があります。例えば、マグネシウムを多く含む、ひじき、わかめ、大豆、ほうれん草など。ビタミンB2は、レバーや納豆、卵などです。

―それでも治らない(症状がひどい)場合はどうしたらいいのでしょうか?

無理せず薬を飲むことを勧めます。片頭痛には痛みが出る前に予兆が起こることがあります。先述した閃輝暗点の他に、生あくびが何度も出てしまったり、肩が張る、気分が落ち込んでしまうなどがあります。予兆が出た時点で薬を飲めば、痛みを抑えることができます。

ただ、片頭痛はホルモンが関係しており、その影響で腸の動きが鈍くなることがあります。腸が働かなくなると薬の効果が薄れてしまうので、当院では制吐剤を一緒に飲むことで腸をサポートし、薬の効き目をよくするようにしています。

片頭痛に特化したトリプタン製剤という鎮痛剤は、一般的な鎮痛剤より効果がありますし、片頭痛発作が頻回に起きる場合には予防薬で発作の発現を予防することができます。

このように薬を飲むタイミングや飲み合わせなどがあるので、市販薬で済ませるよりも病院で診療してもらい、医師と相談しながら薬を処方してもらうことをおすすめします。

最初に話した通り、片頭痛は体質によるもの。症状や原因なども人それぞれです。自分の生活を見直して、しっかり向き合ってみてください。

■さむら脳神経クリニック
沖縄県宜野湾市嘉数2-2-1 広栄メディカルビル1階
TEL 098-897-1177

https://samura-clinic.com/
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