声と筋肉の意外な関係性!

日常生活で、マスクをつけることが当たり前になりました。しかし、マスク越しだと声が通りにくくて、話したことを聞き返されたり、逆に聞き返してしまうことが続くと、お互いストレスになりますよね。大きな声で話す、相手が聞き取りやすいよう、はっきりとした口調で話せるようになりたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

実は、発声と筋肉は大きな関係があることを知っていましたか?どの部分の筋肉が影響しているのか、初心者でもできる簡単エクササイズなどを、パーソナルトレーナーの上原さんに教えてもらいました。

上原弘樹(うえはら ひろき)

パーソナルジムIDEAL代表トレーナー。2019オールジャパンメンズフィジーク3位入賞。1993年生まれ。小学校4年生の時に野球部に所属していたのを機に筋トレを始める。大学4年からはジムに通い始めて本格的に鍛えるようになり、就職して教師になった後も筋トレを続ける。ジムで出会った筋トレの先輩からパーソナルトレーナーのやりがいや魅力、生き方を教えてもらい、心機一転、パーソナルトレーナーとなった。

発声で大切なのは、腹式呼吸を行うこと!

―声と筋肉は、どのように影響しているのですか?

まず、大きな声、よく通る声といった発声を意識する時は、呼吸が大切です。僕は声量と呼吸量は大きく関係していると思っていて、呼吸するときに特に使う筋肉は、横隔膜です。そのため、横隔膜を鍛えるトレーニングを行えば、楽に呼吸ができて(息を大きく吸うことができて)、発声を改善することができると思います。

―呼吸と横隔膜は、どのような関係があるんですか?

腹式呼吸で横隔膜が動いている様子

呼吸には、腹式呼吸と胸式呼吸の2種類があります。腹式呼吸は、息を吸う時に横隔膜が下がることで、肺にたくさん息を入れることができます。しかし、胸式呼吸だと、口呼吸の状態に近く、肩を上下させて息を吸うため、横隔膜があまり動かないんです。肺に上手く息が入らないだけでなく、肩凝りの原因になることもあります。そのため、呼吸量を多くするためには腹式呼吸を意識することが大切です。

物事に集中していたり、気持ちが高ぶっている時などは呼吸が浅くなり、横隔膜の動きが小さくなってしまいがちです。1日の中で意識的に横隔膜を動かすトレーニングの時間を作ることで、生活の中にも活かしていくことができます。

―上原さんはとても聞き取りやすい声をされていますが、横隔膜を普段から意識されているんですか?

そうですね。喉から声をだそうとするのではなく、お腹に力を入れることを意識しています。実は、筋トレでも横隔膜は、大切な役割を持っているんです。さきほど腹式呼吸では息を吸う時に横隔膜が下がる必要があると話しましたが、横隔膜が下がることで、内臓が押されて圧がかかる腹圧という現象が起こります。そうすることで、体幹が安定し、力が発揮しやすくなるだけでなく、ケガの予防にもつながるんです。なので、横隔膜を鍛えるトレーニングは、パーソナルメニューに入れることもありますよ。

自宅でチャレンジ!簡単横隔膜エクササイズ

今回、上原さんに簡単横隔膜エクササイズを3種類教えてもらいました。まずはエクササイズを通して、横隔膜を意識的に動かしてみましょう。慣れていくと、自然と動かすことができます。どれも短時間でできるものなので、ぜひ試してみてください。

横隔膜エクササイズ①

①正座の状態から上半身を前に倒し、膝と肘をつける
②口で息を吐きながら背中を丸め、お腹に力を入れる
③ ②の状態をキープしたまま鼻から息を吸う
④6秒息を吐いて4秒息を吸うことを5回繰り返す

横隔膜エクササイズ②

①体育座りの状態で、肘を膝にくっつける
②口で息を吐きながら肘が膝から離れないように腹筋に力を入れながら背中を丸める
③ ②の状態をキープしたまま鼻から息を吸う
④6秒息を吐いて4秒息を吸うことを5回繰り返す

横隔膜エクササイズ③

①仰向けの状態から膝が90℃になるよう足を立てる
②つま先をあげて、口で息を吐きながらお尻を軽く浮かす
③ ②の状態をキープしながら鼻から息を吸う
④6秒息を吐いて4秒吸うことを5回繰り返す

「エクササイズでは、息をしっかりと吐ききることを意識してください。慣れてきたら徐々に回数を増やしていくと良いと思います。自分がやりやすいもので、日常に取り入れてみてください!」

※普段運動をされていない方は、過度にエクササイズを行ってしまうと酸欠気味になって頭痛や立ちくらみを起こす場合があります。一度に無理をし過ぎないように気をつけてください。

イデアル沖縄
〈新都心店〉沖縄県那覇市銘苅1丁目2-17
〈若狭店〉沖縄県那覇市若狭3丁目44-17 1階
TEL/070-8529-5284


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モデルウォーキングのプロから学ぶ!美しい歩き⽅

普段、猫背でうつむいて歩いていたりしませんか?姿勢を正して美しく歩くと、堂々としてかっこよく見えるだけでなく、ポジティブな思考になれたり、ダイエットにつながるなどいろいろなメリットがあります。今回は、元モデルの屋良先生から美しい歩き方について教えてもらいました。

屋良充佑紀(やら みゆき)先生
ウォーキングインストラクター。沖縄やフランスのベルサイユ宮殿にて行われたFashion Room MADONNAのファッションショーの出演経験のほか、自身がショーの演出を担当することも。モデルだった経験を活かし、ミスユニバース沖縄やミセスインターナショナルジャパンの沖縄大会など数々の大会でウォーキング講師を行うほか、Triangle studio and loungeにて一般向けのウォーキング指導も行う。

そもそも「美しく歩く」とはどういうこと?

歩くことは、あまりに日常的な動作なので無意識で行っている人が多いと思います。でもだからこそ、屋良先生の歩き方を見ると「美しく歩くってこういうことをいうのか!」ということが分かります。

「背筋を伸ばし、まっすぐ前を見て歩くことが基本の美しいウォーキングです」と屋良先生。確かに、先生の歩く姿は頭から足までが美しい直線になっていて、視線の先は地面ではなくまっすぐ。「姿勢がいい」と感じる状態のまま歩いているイメージです。

街中で猫背だったり膝が曲がったまま歩いている人を見ると、屋良先生は「もったいない!」と感じるそう。「美しい姿勢を意識するだけで、基礎代謝が上がって太りにくくなったり、腰痛や便秘などの身体の不調の解消、そして転倒防止にもつながるんですよ。やらないのはもったいないですよ」と。

正しい姿勢を意識することでいつでも背中の筋肉を使うことになります。それが結果的に代謝を上げ、脂肪燃焼につながるのでダイエットになるだけでなく、猫背による腰痛の防止ができたり、さらには背筋が伸びていることによりストレスに耐性のあるホルモンが増え、気分的にも前向きになれるとのこと。

逆に悪い姿勢で歩くと、猫背なのでお腹が圧縮されて内臓が下がり、骨盤が開きやすくなります。すると、開いた骨盤と内臓の間にどんどん脂肪がつき、筋肉も使っていないのでお腹が出やすくなります。また、猫背になると顎が前に出てしまいますが、この時、首に負荷がかかるので血流が悪くなり、眼痛疲労、片頭痛、肩こりの原因にもなります。

屋良先生はモデルを目指す人たちへの指導はもちろんしますが、こうした歩き方は日常の健康管理に役立つことが多いので、一般の人にこそ実践してほしいと話します。

美しく歩くための正しい姿勢を知ろう!

美しく歩くための第一歩は、まずは正しい姿勢を知ることから。歩く練習の前に、普段の自分の姿勢をチェックしてみましょう。

【正しい姿勢】
壁に頭や肩をくっつけ、手をぐーっと上に伸ばすことで、胸骨を引き上げます。おへそと背中がくっつくくらいお腹をへこませ、その状態がキープできたら手を下げます。これが、正しい姿勢です。

①手をぐーっと上に伸ばしてお腹を凹ませて少しキープ。

②そのまま腕をゆっくりと下げた状態が「正しい姿勢」。

正しい姿勢をつくることができたら、いざウォーキングの実践です。

【正しい歩き方】
①まっすぐ前を向いたまま、片足を一歩前へ踏み出し、かかとから足を落とします。

<POINT>
・歩幅は大きく普段より5センチ先に足を着地させるイメージで。
・股関節を大きく使うようイメージしましょう。すると足が長く見えます。

②①のかかとが落ちたら、後ろの足で身体を前に押します。

<POINT>
・足を踏み込んだ後、膝の裏がまっすぐ伸びるように意識しましょう。

ちなみに、歩くときの手の振り方は、腕を前に出すのではなく後ろに引くように意識すること。肩甲骨をしっかり動かすイメージで。

最初は「どうやるんだっけ?」と動きがぎこちなるかもしれませんが、ゆっくりと何回か練習するうちに、いつものスピードで歩けるようになります。これだけのことですが、いつもと歩き方が変わることを実感できると思います。

男性も女性も基本の姿勢は一緒ですが、足の運び方に違いがあります。女性は、膝と膝がタッチするように、一直線上を歩くときれいに見えます。一方、男性は自分の脚の左右それぞれの直線上を歩くことを意識することがポイントです。

より美しく歩くために…

正しい歩き方にプラスして、美しく歩くために必要な「足の指の筋トレ」と「足裏のマッサージ」も紹介します。歯磨きをしながら、テレビを見ながらできるので、日常生活に取り入れてみてください。

【足の指の筋トレ】

まず、足を肩幅の広さ開きます。そのまま足の指の力だけで前に進みます。この時、親指、人差し指、中指など指を1つ1つ動かす意識をするのがポイントです。

歩くのが難しい方は、タオルを床に敷いて、足の指の力で自分のほうへ引き寄せる筋トレでもOKです。

人間は歩く時に、足を着地させて地面を蹴り出す動作を繰り返していまが、この時に重要なのが、足の指の力。歩く動作の中で足の指の力が弱いと蹴り出しが上手くいかないほか、歩くときに指が浮いてしまい、身体の重心が変わりやすくブレてしまうので美しく歩くことができないのです。

【足裏のマッサージ】

ワインのコルクかゴルフボール、マッサージボールなどを使って土踏まずや母趾球(足裏の親指の付け根の膨らんだ部分)をほぐすだけ!このマッサージは、歩くのに大切な土踏まずのアーチ部分をやわらかくするために行います。この部分がガチガチに固まっていると、地面の蹴り出しが弱くなり、また歩くときの身体の重心がブレる原因にもなるため、気づいた時にマッサージをして血流を良くしておくことが大切です。冷え予防にも効果があります。マッサージに使うものは、完全な球体よりも、角がついているようなもののほうが刺激になるので効果的です。

正しい姿勢に始まり、美しくあること、そのために必要な足指トレーニングや足裏マッサージなど、普段の生活に取り入れて、習慣づけてみてください。体調不良の改善や身体の変化など、嬉しい効果が実感できるはずです。

*屋良先生の歩き方動画もあります。分かりやすいのでチェックしてみてください。
STAY HOME! 美しく歩こう!ウォーキングレッスン

https://youtu.be/fppdj8X2irg

Triangle studio and lounge
K-POPガールズダンスやJAZZダンスなど豊富なレッスンが体験できる。屋良先生が行うウォーキングレッスンでは、正しい姿勢のほか、健康のための身体の使い方を指導したり、音楽に合わせて楽しくウォーキングを行う。また、屋良先生個人ではミスコンやミセスコンを目指している人向けの指導も行っている。

Triangle studio and loungeのHP: https://triangle.okinawa/
屋良先生の連絡先:〈Instagram〉miyukiyara

公式マスコット「わお」って?