「プロテイン」の選び方

筋肉や肌、髪を構成する重要な栄養素であるタンパク質。近年、その重要性に注目が集まり、手軽に摂取できるプロテイン商品が数多く発売されています。「プロテインって健康のためには誰もがとった方がいいの?」「何を基準に選べばいい?」「摂取すべきタイミングは?」など、プロテイン商品の基礎知識を紹介します。

プロテインはどんな人に必要?またその種類は?

ドラッグストアやコンビニエンスストアへ行くと、たくさんの種類のプロテイン商品が並んでいますが、そもそもどんな人が何のために摂取する必要があるのか、管理栄養士の友利由希さんに聞いてみました。

「基本的にはサプリメントと同じと考えて良いと思います。毎日の食事で栄養バランスを考えて、食事からタンパク質がしっかりとれている人にとっては特に必要ありません。ただ、例えば三食は食べているけれど炭水化物に偏りがちでタンパク質不足だなと感じる人や、筋肉をつけることを強化したい人などは摂取しても良いと思います」とのこと。

プロテインの種類は、原料で大きく3つに分けられます。

まず一つ目は「ホエイ」。ヨーグルトの上澄みにできる液体のことで「乳清」とも呼ばれ、知っている人も多いかもしれません。牛乳を原料とし、吸収が早いのが特徴です。

二つ目は「カゼイン」。ホエイと同じく主な原料は牛乳で、生乳を構成するタンパク質の80%をこのカゼインが占めています。一つ目のホエイもカゼインも主原料は牛乳ですが、ホエイは牛乳から乳脂肪分やカゼインを取り除いたもので水溶性、カゼインは乳固形分が主要成分で不溶性。この違いから、カゼインは身体への吸収速度がゆっくりという特徴があります。

そして三つ目は「ソイ」。大豆を原料とした植物性のプロテインです。消化吸収のスピードはゆっくり。満腹感が続き、吸収されるまでに時間がかかり、プロテインを構成するアミノ酸を血液中に長時間維持させます。また、大豆には女性ホルモンに似た物質が入っていることもあり、美容効果が期待できるというメリットもあります。

選ぶポイントと飲むタイミング

友利さんによると、プロテインは原料の違いと、その吸収スピードの特徴をふまえて選ぶと良いとのこと。

カゼインとソイは摂取してから吸収されるまでの時間が長いので、満腹感が長く続きます。そのため、食事でタンパク質が足りないと感じた時や体型維持などを目的とした場合に良いでしょう。食事でタンパク質が足りていないと思った時は食後が摂取のタイミング。軽いトレーニングをした場合はトレーニング後に摂取するとトレーニングで損なわれたタンパク質をリカバリーすることができます。一方、ホエイは摂取後の吸収スピードが速いので、筋肉をつけたい人向け。筋トレをした後に摂取することで、筋肉の組織が破壊されたところへアミノ酸をすぐに補うことができ、筋肉量のアップを図ることができます。

プロテインの商品には、粉末状で水や牛乳などと混ぜて飲むもの、パックに入ったドリンク、ゼリー状でチューブタイプのパッケージに入っていてそのまま飲めるもの、そしてお菓子のように手軽に食べられるバータイプなどがあります。

味もプレーン、ココア、バナナなど、飲みやすさや食べやすさを重視しバラエティに富んでいるほか、プロテインでありながらその他の栄養素も摂取できる工夫がされているものも多数あります。味や値段も合わせて検討してみるのが良さそうです。

まずは自分に必要なタンパク質量を知ってから

プロテイン商品を食生活に取り入れる場合、まず知っておきたいのは自分にとって必要なタンパク質量。年齢や体重、一日の活動量から必要量を割り出せる、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」をもとに調べてみましょう。自動で計算してくれる便利なサイトを活用するのもおすすめです。

参考記事:身体に必要な基本の栄養素「P・F・C」を知る

身体を構成する重要な栄養素であるプロテインですが、覚えておきたいのはプロテイン商品を食べたり飲んだりしただけでは筋肉がつくわけではないということ。運動や摂取するタイミングなど、必要に応じて組み合わせることで効果的な身体づくりにつながります。また、「一食置き換え」などの商品もありますが、これはタンパク質を増やすというよりも摂取エネルギーを抑える意味合いが強いもの。それによってダイエット効果はあるかもしれませんが、健康な身体づくりという点においてはやはり栄養バランスを考えた食事をとる方がおすすめです。プロテイン商品は目的に合わせて取り入れるのはもちろんOKですが、あくまでもサポート的な役割であることを忘れずに。それぞれの特徴を理解して、上手に取り入れましょう。

※プロテイン商品にはプロテイン以外の栄養素が添加されていることもあります。それによりある栄養素を過剰摂取することになり健康被害を被る場合もあるので、食事を含めた適切な摂取量を守るようにしましょう。

監修:友利由希(管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士)

自分にぴったりの枕を見つけよう!

快眠のためのキーとなる枕。眠りの専門店「マイまくら」でピローアドバイザーの今藤さんに、寝るときの正しい姿勢や枕の選び方について聞いてみました。

自分に合った枕とは?

そもそも、自分の枕が合っているかはどのように判断すればいいのか、その基準を今藤さんにきいたところ、「楽に立っている時の姿勢をそのまま再現できているか」がポイントとのこと。

「仰向けで寝た時に、例えば、やや前傾気味の姿勢の人にとっては高めの枕を選ぶと、立っている時と同じ姿勢になりますよね。普段から姿勢がとても良い人の場合は、枕はあまり高くない方がいい。この考え方が基本です。ただ、姿勢が良くても肩・背中周りの筋肉量が多い人は高めの枕が必要になったり、筋肉のつき方によっても一人一人、最適な枕は違ってきます」。

また、マットレスにどれくらい身体が沈むかによっても、枕の高さは変わるそう。「硬いマットレスだと高めの枕が必要な方も、柔らかいマットレスだと低めの枕が合うことがよくあります」と今藤さん。姿勢と、筋肉の付き方、どんなマットレスを使っているか、首のカーブを見て枕の高さが決まってくるので、色んな要素を見て選ぶ必要があります。

仰向けで眠る時の理想的な姿勢は、腰などの隙間がぴたーっと埋まった状態。寝たときに、頭、背中、お尻、ふくらはぎ、かかとなど出っ張ったところがマットレスに圧迫されると、血流が悪くなったり眠りの質が落ちてしまうので、身体の重さや圧力を全身でくまなく分散できる寝具を使いましょう。

横向きの場合は、頭のてっぺん、顎、頚椎、腰椎が1本の線が通っているように真っ直ぐになった状態が作れる枕やマットレスを選ぶことがポイント。横向きの時は肩幅の分、高さが無いと肩がつぶれてしまいストレスになってしまうので、枕は仰向けよりは高めを選びましょう。スムーズに寝返りが打てるかも大切な要素です。

首の凝りや頭痛などの不調、合わない枕が原因かも!?

合わない枕を使うと、首コリ、肩コリの他、いびきが多くなります。今藤さんによると、ほとんどの症状は首の緊張から来るとのこと。首が圧迫されることで血流が滞り、筋肉が硬くなってくると首コリにもなりますし、首は太い自律神経が通っているので、圧迫により自律神経が乱れて頭痛の原因にもなってしまうそうです。自律神経が乱れると、スムーズな入眠を促してくれる副交感神経も乱れてしまうのでなかなか寝付けなかったり、夜中に頻繁に目覚めてしまったり、不眠にも繋がりやすくなります。また、枕やマットが原因で首が凝り、冷えに繋がることも。もっとひどい場合は頭痛、不眠、眩暈などの体調が悪い状態が続く自律神経失調症を起こすこともあります。

反対に、合っている枕やマットレスを使うと呼吸がしやすくなるので、脳に酸素が行きやすくなります。また、寝返りの回数が少なくなるので、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。寝返りは必要なものですが、実はちょっとした運動になるので、する度に少しずつ眠りが浅くなってしまうのです。

枕を選ぶポイントとは?

枕選びのポイントは大きく分けて3つ。サイズと素材、形状です。まず、サイズは寝返りを打ってもはみ出さない大きめがおすすめ。目安は横幅が60㎝あること。市販で売っているだいたいの枕は60cm以上あるのでそこはクリアできるはず。

次に素材に関しては、通気性が悪かったり洗えないものは衛生的にNG。そばがらや羽毛のような天然素材は洗えない上に、経年劣化が起きやすく、ぼろぼろと崩れてほこりになってしまうので取り扱いは少なくなっているとのこと。また、低反発のウレタンフォームも実は通気性が良くありません。手のひらで押すとゆっくり戻るのが特徴ですが、これは空気の通りが悪いから。頭や首の湿気が中にこもりやすく、また湿気で劣化しやすく、温度によって硬さが変化しやすいという特徴もあります。高反発のウレタンフォームで、通気口が開いていて湿気を拡散してくれるものもありますが、細かい高さ調整ができなくてぴったり合わせるのが難しかったり、洗えないので、そんなに長く使えないようです。

これらをふまえ、今藤さんがおすすめする素材は、「パイプ」。ストローのように空洞になっているので通気性が良く、自宅で洗濯も可能です。特にモチモチした感触のエラストマー樹脂のパイプは、一般的なポリエチレンのパイプのように動いても音がしないそう。パイプだと感触が気になるという方は、多層式で表面にわたが入っているタイプがおすすめです。

最後に、枕の形状は「仰向けで寝る時に後頭部があたる部分と首があたる部分、横向きで寝る時に頬を乗せる左右の部分、最低でも4箇所以上の高さが調整できるタイプがいいですね」と今藤さん。同じ横向きでも、左右の筋肉量の違いなどで、右だけ高くした方が良い場合もなどあります。このように、枕の高さをパイプなどの量で変えることができる、仕切りポケット付きのものは、細かい調整ができてベストですね。

枕は眠る時の重要な要素。どの枕が合っているかを最初から自分で判断するのは難しいので、困ったときは専門スタッフに相談を。睡眠の質をより高めるためにも、自分にぴったりの枕を探してみましょう。

今藤竜之介
「マイまくら」を運営する株式会社エイティー今藤の営業企画担当。睡眠・寝室環境・寝具寝装品の知識をもとにアドバイスできる「人材睡眠環境・寝具指導士」の資格を持つ。イオンモール沖縄ライカム店や、沖縄パルコシティ店で日々お客さんに寝具についてきめ細やかなアドバイスをする。

眠りの専門店マイまくら公式サイト:https://mymakura.com

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