目指せ!1日のカルシウム摂取目標クリア!

骨や歯に必要な栄養素といえば「カルシウム」ですが、1日に必要な摂取量を知っている人は少ないかもしれません。厚生労働省が推奨する摂取量に対して、日々の食生活でどのくらい足りていないのか、またどんな食材をプラスすれば推奨量を満たすことができるか、実践できる内容を紹介します。

子どもと大人で違う1日の摂取推奨量

厚生労働省の定めによる1日に必要なカルシウム摂取推奨量は、成人が600〜800mg、成長期の子どもは700〜1,000mgと、大人と子どもで異なります。カルシウムは人間の骨格を構成する重要な要素であることから、不足すると骨粗しょう症などの原因にもなることから、特に成長期の子ども(10歳前後から15歳くらいまで)は、大人よりも多くとる必要があるとされています。また、カルシウム量は20歳をメドにどんどん減っていくため、普段の食事で意識的に摂る必要があるのです。

知っておきたいカルシウムリッチな食材リスト

普段食べている食品の中で、カルシウムが多く含まれているのはどんなものがあるのでしょう。多くの人にとってカルシウムと言えば真っ先に思い浮かぶ牛乳は、コップ1杯で220mg。これで大人が必要な1日の摂取量の約1/3をとることができます。また、優れた栄養素をたくさん含んでいることで知られる大豆製品も見逃せません。木綿豆腐のほか、厚揚げは1/2枚で牛乳1杯よりも多くのカルシウムが含まれています。

そしてさらに注目したいのが魚の缶詰。さんまの缶詰は1缶でなんと250mgも!ちょっと手を加えるだけで1品料理になるだけでなく、そのまま食べることもできるのでとても便利です。ちなみに、魚の缶詰はどれもカルシウムが豊富。さばの水煮の缶詰は1缶(100g)あたり260mg、いわしの味付缶詰は1缶(100g)あたり370mgのカルシウムが含まれているので、「カルシウムをとりたい時は魚の缶詰!」と覚えておくと良いでしょう。

また、副菜に使いやすい小松菜や水菜、ひじきなどもカルシウムが豊富な食材なので「カルシウムがちょっと足りないかも」というときはぜひ活用してみてください。

1日のカルシウム摂取量をクリアする食事例

では、実際にどの食品をどのくらい食べれば1日の推奨量をクリアできるのでしょうか?ここで覚えておきたいのが、カルシウムが豊富なのは、調理せずともそのまま食べられる食品に多いということ。そのため、いつもの食事にプラスで食べるだけでOKととても手軽に摂取できるのです。

[大人例1]合計790mg
・牛乳         1杯
・ヨーグルト      1パック
・いわしの缶詰(味付) 1缶

[大人例2]合計690mg
・牛乳      1杯
・プロセスチーズ 1切れ
・木綿豆腐    1/2丁
・納豆      1パック
・小松菜おひたし 1/4束

[成長期の子ども例]合計961mg
・牛乳         1杯
・ヨーグルト      1パック
・いわしの缶詰(味付) 1缶
・プロセスチーズ 1切れ
・納豆      1パック

成長期の子どもは、普段の食事にヨーグルトをプラスしたり、おやつをチーズにすることで摂取量を増やすことができます。また、カルシウムはビタミンDが含まれた食品と一緒に摂取することでその吸収率が良くなると言います。ビタミンDは魚やきのこ類に多く含まれているので、カルシウムをとるときは意識してみましょう。

カルシウムがたくさんとれるレシピはkenko ISLAND67号の誌面で紹介しているほか、youtubeで観ることもできます。ぜひチェックしてみてください。

監修:長嶺由香さん(管理栄養士、国際中医薬膳師)
〈Instagram〉yakuzen.love

骨密度、測ったことはありますか?

健康を意識した生活を送っている人でも、「骨」の健康を考える機会は少ないかもしれません。でも、骨は人知れず身体の健康を守ってくれているのを知っていますか?例えば、そもそも人間の身体は「骨格」を中心に筋肉や腱がつく構造なので、骨がなかったら身体が成り立たちません。それに、内臓を守るのも骨の大きな役割の一つ。さらにカルシウムの貯蔵庫としての役割もあります。ということで、実はこんなにも活躍している骨について、その健康状態を知る方法などを紹介します。

骨密度とは?

骨の健康を知るバロメーターの一つである「骨密度」とは、骨を構成するカルシウムなどのミネラル成分の密度のことを指します。1平方センチメートルあたりに何グラムのミネラル成分が含まれているかをパーセンテージで表示したものが骨密度で、値が大きいほど、骨が強いということになります。骨密度は歳を取るごとに減っていき、特に女性は閉経後にぐっと減ってしまいます。そのほか、喫煙や過剰な飲酒なども骨密度の低下を招く原因になります。

骨密度を測る必要性として一番に挙げられるのは、代表的な骨の病気である「骨粗しょう症」に気づけるようにするためです。骨粗しょう症は、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気のこと。発症しても痛みなどの自覚症状はないので、ほとんどの場合が気づきません。ですが、ちょっとつまづいただけで骨折してしまうなどのリスクが高まるため、早めに気づくことで対処がしやすくなります。

骨密度は、どこでどうやって測るもの?

骨密度は専用の機械を使って測るため、病院やクリニックなど、設備が整っている施設に行く必要があります。40歳以上の場合は検診の中で測定項目として設けられていることも多いため、近くの保健所に尋ねてみるのもおすすめです。

病院などで骨密度を測る方法は主に、DXA(デキサ)法、超音波法、MD(エムディ)法の3つがあります。使用する機械によって、寝転んだ状態で測定したり、専用機器に足を入れたり、手を乗せたりして測ります。どの機械を使う方法でも痛みはまったくなく、時間も5〜10分程度で終わるため、とても気軽に測定することができます。ちなみに、骨粗しょう症の検診に多く用いられているのは、超音波法。X線を使わないので妊娠中の方でも測定可能で、かかとやすねの骨に超音波をあてて測定します。

骨密度の数値は何パーセント以上が望ましい?

骨密度は、YAM(若年平均骨密度)と呼ばれる、同性の20〜44歳の骨密度の平均値を基準にし、その値と比較して診断されます(※参考:(一社)日本健康倶楽部「健康診断結果の見方」)。YAMを100%として考え、80%以上が正常、70〜80%未満は骨量減少、70%未満は骨粗しょう症と分類されています。

骨粗しょう症になると、ちょっとしたことで骨折してしまい、もしもその骨折した箇所が太ももの付け根に近い場合は歩けなくなってしまう可能性もあります。また、年齢を重ねてから骨折をすると、寝たきりになるリスクも高まります。そうならないためにも、普段から適度な運動と栄養バランスの良い食事に気をつけた生活を送ることが大切です。

骨は目に見えないけれど、身体を支える重要なもの。定期的に骨密度を測って健康状態を確認し、カルシウムをしっかり摂取するなど、“骨活(ほねかつ)”を日々心がけた生活を送るようにしましょう。

執筆:kenko ISLAND編集部 監修:武藤亮先生(浦添総合病院整形外科専門医)

(一社)日本健康倶楽部「健康診断結果の見方」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/02a-25.pdf

公式マスコット「わお」って?