体幹のインナーマッスルを鍛えて運動の効率を上げよう!

筋トレをするときに重要な「インナーマッスル」。実際、どこの部分にあるのか分からない、ということはありませんか。その場所やその役割を知ることができれば、意識して鍛えることができるので、より筋トレの効果を得られます!正しい知識について、SKY WELLNESS SPORTSのトレーナーの與那栄一郎さんにお話を伺いました。

インナーマッスルとは?

「お客様から『インナーマッスルを鍛えたい』とよく相談を受けますが、僕たちトレーナーからすると、どの筋肉を指しているのだろう?と少し考えてしまうんですね。というのも、インナーマッスルとは特定の筋肉の場所ではなく、『身体の深いところにある筋肉』の総称をいうんです。インナーマッスルは体幹あたりの筋肉だと思う方が多いかもしれませんが、体幹だけでなく、腕や脚、お尻などにある深い筋肉は全てインナーマッスルといえるんです」

筋肉は身体の表面にある『アウターマッスル』と、骨の近くにある『インナーマッスル』に分かれています。アウターマッスルとは身体を動かすための筋肉で、大胸筋や大臀筋(だいでんきん)などの大きな筋肉を指します。反対に、インナーマッスルは関節の安定や姿勢を保つ役割を担う筋肉で、アウターマッスルが動くときに裏で支えている筋肉を指します。インナーマッスルがうまく機能しないと、トレーニングをしても鍛えたい部分が刺激されなかったり、ケガに繋がる恐れもあるとのこと。それくらい重要な筋肉なのです。

体幹の深層筋「インナーユニット」はどんな役割を持つ?

多くの人が「ここがインナーマッスル」と思っている体幹部分の深層筋は、「インナーユニット」と呼びます。インナーユニットは4つの箇所の深層筋から構成されており、1つ目は肋骨周りの筋肉に作用して呼吸に関わる「横隔膜」、2つ目はコルセットのような役割を果たして体幹を安定させる「腹横筋」、3つ目は背骨についていて脊柱の安定に作用する「多裂筋」、そして最後は、骨盤の最下部に位置し、膀胱や子宮、直腸などの臓器を支える筋肉の総称「骨盤底筋群」です。これらを鍛えることで得られるメリットはたくさんあります。ぽっこりお腹の改善に繋がるのはもちろんですが、腰痛の予防になるほか、骨盤が安定して動作がスムーズになるので運動時のケガを防いだり、スポーツパフォーマンスの向上にも繋がります。

体幹の深層筋「インナーユニット」を鍛える簡単トレーニング!

インナーユニットを鍛える方法として教えてもらったのは、初心者でも取り組みやすい「ブレーシング」。呼吸をしながらお腹を膨らませたり凹ませたりする「ドローイン」と似ていますが、その違いは、お腹に空気を溜めたまま息を吸ったり吐いたりする点。

「しっかり呼吸ができるトレーニングなので、マスク生活で呼吸が浅くなりがちな皆さんにぜひ取り入れてほしいですね」と與那さん。簡単なのに腹筋運動と同じ効果を得られるそうなので、筋トレが苦手な方もぜひチャレンジしてみてください!

ブレーシング

STEP1 息を吸いながらお腹を膨らませます。このとき、胸が膨らまないように注意。腹部全体を膨らませるイメージで息を吸うとお腹を膨らますことができます。

STEP2 吸えるだけ吸ったら、お腹を膨らませたまま息を吐きます。息を吐く目安は8割ほど。「もう吐ききれない」と思う手前まで吐くイメージです。お腹に手を当てながら行うと、お腹に力が入っているのを実感できるのでおすすめです。

STEP3 STEP1〜2を15回×3セット繰り返します。

「このトレーニングを行うと、インナーマッスルの中でも普段の生活ではあまり使われない横隔膜が働くことによって、腹部全体を刺激してくれます」と與那さん。鍛えることで、骨盤を正しい位置で安定させてスポーツパフォーマンスを向上させてくれるというメリットのほか、横隔膜が動くと正しい姿勢を維持する役割を担う「多裂筋」も鍛えられるというメリットもあるので、腰痛の改善にもなるのだといいます。横隔膜を使うことで腹圧が高まり、運動時に必要な力を効率よく使うことができるようになるので、トレーニング後にウォーキングを行うのもおすすめ。ぽっこりお腹の改善により効果的だそうなので、余裕がある方はぜひやってみてください。

與那 栄一郎さん
那覇市具志のスポーツクラブ「SKY WELLNESS SPORTS」の運動指導部所属。8年に渡り、ボディメイクや肩・腰・膝痛予防など、お客様ひとりひとりの要望に合わせた運動メニューの提案や指導を行う。

スカイウェルネススポーツ
住所/那覇市字具志890-1
TEL/098-857-0008
http://www.sky-sports.jp/

カフェインとのイイ付き合い方

コーヒーや紅茶に含まれるカフェイン。とりすぎると身体に負担をかけてしまいますが、飲むタイミングや量を気をつければ、“イイ付き合い方”ができます。カフェインについて知っておきたいことを、管理栄養士の仲田孝奈さんに教えてもらいました。

クイズでカフェインについて正しい知識を得よう!

日常的に行っていることが、もしかしたら身体にとって良くない習慣になってしまっている可能性も。

クイズで確認してみましょう。以下の問題に○☓で答えてください。

①起床後、まずはコーヒーを1杯飲む
②集中したい時にカフェインをとる
③お水代わりにコーヒーを何倍も飲む
④頭痛がする時にカフェインをとる
⑤ダイエットのためにカフェインをとる

答えは以下の通りです。

①起床後、まずはコーヒーを飲む→☓
起きたばかりの身体は水分を欲している状態。カフェインには利尿作用があるので、目覚めの一杯には適していません。ただし、カフェインは脳の神経に作用して目を覚ましてくれるので、お水や麦茶などで水分補給してからコーヒーを飲むのは◎。

②集中したい時にカフェインをとる→○
カフェインには、脳や脊髄など中枢神経系を刺激する作用があるため、集中力や注意力を高めるほか、眠気を少なくする、疲労を感じにくくする働きがあります。

③お水代わりにコーヒーを何杯も飲む→☓
カフェインは、摂取すると身体へすぐに吸収されて、1時間ほどで神経伝達物質の増加による気分高揚、眠気消失、そして交感神経の刺激による基礎代謝増進などの効果が発揮されます。その持続時間は、個人差がありますがおよそ4〜6時間。短時間に続けてカフェインを摂取する、もしくは多くの量を一度にとるのは控えましょう。過剰に摂取するとめまいや立ちくらみ、心拍数の増加、興奮、震えなど健康被害をもたらすことがあります。

④頭痛がする時にカフェインをとる→☓
「頭痛がする時、コーヒーを一杯飲むと和らぐ」と聞いたことがあるかもしれません。例えば、血管が拡張しておこる偏頭痛をカフェインは緩和させる効果があると言われています。しかし、頭痛(偏頭痛)にはさまざまな症状があり、原因も異なります。場合によっては、カフェインの成分が頭痛の症状を悪化させることもあるので、頭痛がする時には、カフェインは控えた方が安心です。

⑤ダイエットのためにカフェインをとる→☓
代謝をアップさせたり脂肪を燃えやすくする効果が期待できるため、実際にダイエットサプリにもカフェインが含まれていることがあります。しかし、ダイエットのためにカフェインをとるのは、過剰摂取になる可能性が高く、身体にさまざまな不調が出るリスクがあるので気をつけなければいけません。

意識したい、カフェインの正しい摂取量

それでは、コーヒーや紅茶など、身近にある飲み物にはどれくらいのカフェインが含まれているのでしょうか?

食品中のカフェイン濃度(厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」より抜粋)

例えば、毎日ドリップコーヒーを1杯飲む人を基準にしてみると、インスタントコーヒーは、カフェイン濃度が少し高くなります。コーラなどの清涼飲料水やエナジードリンクは種類によって濃度は異なりますが、カフェインが多く含まれているものだと、ドリップコーヒーの5杯分になることも。一方、ほうじ茶やウーロン茶だと、コーヒーの1/3杯分のカフェイン量になります。このように、普段飲んでいる飲み物を基準に比べてみると分かりやすいかもしれません。

世界保健機関(WHO)は、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、コーヒー3〜4杯分(1日)までにすることを呼びかけています。カフェインの許容量には個人差があるため、設定はされていませんが、とりすぎには十分気をつけましょう。

また、身体はカフェイン(特にエナジードリンク)の作用に慣れやすいため、自然と量が増えてしまい、過剰摂取につながってしまうことがあります。カフェインをとることが多い人は、自分の過剰摂取になっていないかを意識しながら、無理のないようにとりましょう。

監修:仲田孝奈(管理栄養士)

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