ふだんの食事で食物繊維はどれだけとれている?
栄養 2023/05/10 1030 views
腸内環境を整え、糖や脂肪の吸収を抑えてくれる食物繊維。1日に必要な摂取量は成人男性で21g、女性で18gが推奨されています。ただ、推奨量に足りていない人の方が多いという結果も。そこで、ふだんの食事で実際にどのくらいの食物繊維が摂取できるのか例を挙げて見てみましょう。
社会人3年目、20代一人暮らしの男性Aさんの場合
食事は基本的に外食や買ったものを食べることが多く、自炊はあまりしないAさん。朝ごはんはコンビニで購入することが多いそう。この日はBLTのサンドイッチとコーヒーをチョイス。
コンビニやスーパーで購入した商品には、食品表示欄に栄養成分表示がされているので、どの栄養素がどれだけ摂取できるかを知るにはとても便利です。最近では、“大麦・もち麦使用”など、食物繊維を売りにした食品も出ていますので是非チェックしてみてください。
さて、ここで摂取できた食物繊維は3.0g。1日の目標摂取量まであと17gです。
午前中の仕事をこなし、ランチは飲食店で外食。今日のメニューは沖縄そば。
沖縄そばは麺に食物繊維が含まれており、おそば1人前約230gだとすると摂取できる食物繊維量はおよそ3.5g。付け合わせのジーマーミー豆腐も大事な栄養素。1.3gの食物繊維が摂取できます。合計4.8g摂取できました。
そして午後の仕事を終え、ようやく帰宅。冷凍食品のお弁当を電子レンジで温めて食べることに。メニューはカツカレー。
野菜が少ないと食物繊維量がなかなか稼げず、ここでの摂取量は2.3g。
朝:3.0g 昼:4.8g 夜:2.3g で本日の合計10.1g。目標値に対して10.9gも足りない結果となりました。驚くような数値になりましたが、実際のところ、Aさんのような食事をしている人は多いのではないでしょうか?
いつもの食事に食物繊維をプラスする工夫
では、足りなかった食物繊維を補うために、どんなメニューを追加すれば良いのでしょうか?「食物繊維がたくさんとれる食材&食品リスト」の記事で取り上げましたが、食物繊維が多く含まれているのは、野菜、きのこ、果物類。これらを意識してメニュー選びをするだけでぐっと摂取量を増やせます。
例えば、以下のような食材やメニューを1品プラスするだけで1日分の摂取量をクリアすることができます。
●朝食
バナナ1本をプラスして、食物繊維2.2g摂取OK。
●昼食
沖縄そばを野菜そばに変更することで、食物繊維量が3.5gアップ。
●夕食
カレーの副菜としてお馴染みのピクルスを選んで2.8gプラス。
さらにデザートにキウイ1個を食べることで2.6gプラス。
(食品成分データベース、コンビニエンスストアのウェブサイトにある「商品案内」を参考)
これで、合計11.1gプラスとなり、1日あたりの摂取量が21.2gに。推奨量をクリアすることができます。
そのほか、おやつにドライフルーツやナッツを取り入れるだけでも、かなりプラスすることができます。日々の食事でぜひ意識してみてください。
監修:友利由希(ロクト整形外科クリニック所属 管理栄養士)