コロナ禍も要注意!食中毒対策
栄養 2020/10/02 2132 views
ステイホームにより、テイクアウトやデリバリーを利用したり、テラスなどでバーベキューをする機会が増えた人もいるかもしれません。食事のさまざまな楽しみ方がある一方で、注意したいのが食中毒です。
そもそも食中毒ってどうやっておこる?
食中毒を起こす元となる細菌やウイルス、有毒な物質が付着した食べ物を食べることによって、腹痛や下痢、発熱などの症状を起こすのが「食中毒」。
発症までの期間や症状は、原因菌によってさまざまです。
例えば、人の皮膚や鼻元などにいる「黄色ブドウ球菌」が原因の場合。この菌が付着・増殖したおにぎりやお弁当を食べることで30分〜数時間後に腹痛や吐き気などの食中毒症状をおこします。この菌の毒素は、加熱しても死なないので、作る過程で手袋の着用や、殺菌消毒などの対策が必要です。また、「カンピロバクター」という菌の場合は、食後2〜7日と発症までの期間が長く、下痢や発熱、吐き気、筋肉痛などの症状が出るそう。主に、十分に加熱されていない肉(特にとり肉)や、飲料水、生野菜などが原因で起こるため、食べる前にしっかり加熱することや食器具の消毒が大切になります。
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから食べるまでの間に、食品に細菌を「つけない」、食品に付着した細菌を「ふやさない」、食品に付着した細菌を「やっつける」という3つが基本。
■「つけない」・・・手首や指先、爪の間までしっかり手洗いする
■「増やさない」・・・購入してから長時間持ち歩かない、すぐに冷蔵庫へ
■「やっつける」・・・食べる前に中心部までしっかり加熱する
テイクアウト、デリバリーはどう気をつける?
食中毒の予防には「時間」と「温度」の管理が重要。テイクアウトなどは、調理してから食べるまでの時間が店頭で食べる時と比べて長くなってしまいます。食品を購入したらすぐに帰宅し、なるべく時間をあけずに食べることが大事です。再加熱の際は、中心までしっかり加熱しましょう。
また、意外にも1年間のうちで最も食中毒が発生しているのは秋。夏バテで体力が落ちていることや、涼しい日もあればまだまだ夏日のように暑い日も多く、日中の気温差も大きくなることなどが原因のひとつになっているよう。食中毒は年中起こりえるものと心得ましょう。
バーベキュー、どんなことに注意したらよい?
スーパーで購入した新鮮な食品(特に肉や魚介類)にも食中毒菌がついていることがあります。他の食品と一緒にせず、それぞれを袋に入れること。また、パックしていても汁が漏れて菌が増殖してしまうことがあるので、包装を二重にしたり、野菜類とは別のボックスで保存するのも一つの手。屋外などの温かいところでは、時間が経つほど菌が増えてしまうので、必ずクーラーボックスなどで保冷しておくことが大事です。野菜などは調理の前にしっかりと洗いましょう。
包丁やまな板は、肉用、野菜用で分けることはもちろん、食べる時は清潔な箸、皿を使うこと。生の食品に触れた後は手洗いと消毒を。残って時間が経った食品はもったいなくても処分する勇気が必要です。
食中毒は、場合によっては重症化することもあります。
おいしく味わい、楽しく過ごすためにも、しっかり予防・対策しましょう!
参考文献
厚生労働省HP「テイクアウト・デリバリーにおける食中毒予防」